糸魚川大火と、ヘリによる「空中消火」、さらに「火災テロ」説について
2016-12-29


[カテゴリ: 航空全般>その他]
[カテゴリ: 社会問題>支配]

新潟県・糸魚川市の中心部で、今月22日、午前10時20分ごろ、大火が起きたのは、ご存じの通りです。

東京新聞によれば、144棟も焼け、鎮火したのは翌日23日、午後4時半で、30時間もかかりました。

被災者の方々は、約200名にも上るとのことで、何ともお気の毒です。

−−−−−−−−−−

非常にもどかしく思うのは、日本の消防組織では、航空機による「空中消火」に対して、事実上まったく無関心な点です。

本来ならば、このような大火であれば、なおさら積極的に「空中消火」を行うべきです。

消防当局が、みずから「いたずらに被害を拡大させた」と言っても、過言ではありません。

日本でも、森林火災の場合は、「当たり前に」ヘリコプターによる空中消火が行われています。

テレビや新聞で、その光景を見た人は、少なくないはずです。

ところが、森林火災以外では、空中消火を行わないのが、事実上「当たり前」になっていると言えます。

それが、国民も含めて、日本全体の、いわば「常識」です。

−−−−−−−−−−

この理由は、少なくとも二つあると思います。

◎ 今までの「日本の歴史」。
◎ 消防組織の「縄張り意識」。

例えば、米国やロシアなど、広大な森林地帯を抱える国では、森林火災は、「日常茶飯事(さはんじ)」とも言えるものと思います。

そのため、地上からの消火では間に合わず、昔から航空機による空中消火が、「当たり前に」行われてきました。

大量の水を投下するために、ヘリコプターではなく、双発以上の大型プロペラ機を主として用います。
ジェット機さえも用いています。
(米国では、一般に、中古の旅客機や軍用機などを改造して、専用機として使うようです)。
市街地などでは、ヘリによる空中消火も行います。
また、空中消火専用の航空機もあります。

『オールウェイズ』という、スティーブン・スピルバーグ監督の映画があります。
森林火災の「空中消火パイロット」が主役です。
主人公は、空中消火活動中に亡くなり、「幽霊」となって恋人の前に現れる、恋愛映画です。
その一方では、命がけの、すさまじい空中消火の姿も描いています。
映画なので、現実にはあり得ないと思いますが、炎の中に、空中消火の航空機が突入して行きます。
(だいぶ前に見たので、内容は良く憶えていません)。
(1989年 ユニヴァーサル映画)。
(ビデオテープ。発売元:CIC・ビクタービデオ(株))。
(DVD/ブルーレイ版の有無は、分かりません)。

日本では、事実上、めったに大きな森林火災は起こらないので、昔は、空中消火を行う発想は、なかったと思います。

今は、消防や防災のヘリコプターが全国に展開しているので、森林火災では、空中消火が、定着しています。

それでも、米国などの、本格的な「航空消火組織」の実現までには至りません。
日本では、そこまでの必要性がないとも言えます。

一方、市街地などの火災には、「使い勝手が悪い」との理由で、用いる意思がないと思えてなりません。

例えば、火点に隣接する、燃えていない建物などに投水するのを避けるには、操縦が難しくなります。
「そうまでして、行う必要はない。地上の消防隊で十分」との思いがあるはずです。


続きを読む

[航空全般>その他]
[社会問題>支配]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット