「事件の真相」 とは、走行中の新幹線 (ここでは、のぞみ34号) を脱線・転覆させるテロ攻撃事件 (未遂) を指します。
(取りあえずの結論3) 「最大の問題点」 は、台車枠を意図的に過剰切削した件です。
(取りあえずの結論4) 「最大に次ぐ、2番目の問題点」 は、新大阪駅で、床下点検を意識的に行わなかった件です。
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「取りあえずの結論3」 に関して、以下細かく述べます。
■ 台車枠を意図的に過剰切削。
「F: 調査報告書 (本編)」 の一部 (12ページ) を引用します。
(H: 引用)
※ 「原文にはない改行」 を加えています。
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2.4.2.2 側ばり下板の板厚の状況
側ばりの板厚は、設計上、公称厚さ8mmの鋼板を用い、曲げ加工後7mm以上と規定されている。
本件亀裂の破面において側ばり下板の板厚を測定したところ、最も薄い箇所で4.7mmであった。(付図3のZ部)
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(H: 引用、以上)
「H: 引用」 を見ると、以下のことが分ります(1)〜(4)。
(1) この 「台車枠 (側ばり)」 は、「公称厚さ8ミリ」 の鋼板を加工して製造する。
(2) 設計上、「加工後の板厚が、7ミリ以上」 と規定している。
(3) 換言すれば、設計上、「加工後の板厚が、7ミリより少なくてはいけない」 と規定していることになる。
(4) にもかかわらず、板厚の一番薄い部分が、4.7ミリしかなかった。
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(参考)
上記の、「公称厚さ8ミリ」 とは、鋼材メーカーが 「この鋼板は、板厚が8ミリです」 と明示して製造販売していることを指します。
ところが、実際には、8ミリに対して、多少の製造誤差が生じます。
これは、正当な許容誤差です。
鋼材メーカー側が、この許容誤差 (最大値) を明示しているはずです。
購入側は、この許容誤差も認識した上で、この鋼板を素材として用いて設計・製造を行います。
そのため、「H: 引用」 では、「公称厚さ」 という表現をしています。
また、許容誤差まで考慮せず、板厚は8ミリとして扱っています。
「購入側」は、ここでは、「台車」 を設計・製造した 「川崎重工業 (下請け企業を含む)」 です。
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「H: 引用」 を見ると、加工上の製作誤差など、さまざまな理由で、板厚が、結果的に8ミリより少なくなっても、7ミリは絶対に必要だと、分ります。
そのため、溶接作業で位置合わせのために、台車枠を切削する必要があっても、その切削量は 「1ミリ以内でなければならない」 と規定していることになります。
(8 − 7 = 1ミリ)。