JAL123−事故調査報告書「ボイス・レコーダ記録」を見ると、「急減圧流は存在しない」と解釈できる(4)
2018-02-09


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(引用D−1)(上記の出典139〜142ページ)
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■ 全日空の急減圧発生訓練

どの航空会社でも、運航乗員は片方のエンジンがトラブルを起こしてストップしたときの対応や機体が損傷して機内の空気が一気に外に吐き出されることによって起きる急減圧の対応訓練をシミュレーター(模擬飛行装置)を使って行なっている。

(中略)

ここでは、全日空の運航乗員に急減圧に対処する典型的な訓練の方法を聞いたので紹介したい。


★何かの原因で急減圧が発生したと想定。

機長   「どうした 何が起こった」
副操縦士 「ラピッド デコンプレッション」(急減圧だ)
機長   「マスク オン」(酸素マスクをつけろ)

<説明文>
この間、航空機関士は数秒で空気漏れが原因となった減圧を想定して、四基のエンジンから抽出される空気(注1)を共通ダクトに集め、共通ダクトに二個装備されている分離弁の一方を閉じる。

そうすることによって、分離弁より下流に空気漏れがあった場合は正常なダクトが空気を供給するので、減圧を停止することができる。

また、三個装備されている与圧装置すべてを作動させることによって、減圧の程度を緩和する場合もある

航空機関士はこれらの操作をしても減圧が回復できないときは、機長に報告する。


機長 「OK。緊急降下実施。1万3000フィートまで降下する。ATCトランスポンダーを7700(緊急事態発生コード番号)にセットせよ(注2)

<説明文>
機長はオートスロットル=自動推力装置を外し、エンジンをアイドル(注3)にし、スピードブレーキ(注4)を開いて交差する航空機と衝突の可能性の少ないほうへ変針し、急降下を開始する。

副操縦士は安全ベルト着用サインを点灯させ、ATCトランスポンダーを7700にセットし、ATC〈東京航空交通管制部〉機関(注5)に緊急降下を通告する。


副操縦士 「東京航空交通管制部(注6)、こちら全日空000便。急減圧発生。緊急降下を開始した。1万3000フィー卜まで降下する」
ATC  「了解。全日空000便、緊急降下を承認する。1万3000フィー卜まで降下せよ。到達したら一報せよ」

<説明文>
この間、航空機関士は十五秒から二〇秒以内に最低回転数に絞ったエンジンが停止しないように点火装置のスイッチをオンにしておく

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[JAL123便>CVR記録]

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