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陸上自衛隊の 「イラク派遣部隊、南スーダン派遣部隊」 が作成した 「日報問題」 で、国会を中心に、大きく揺れ動いています。
マスコミ報道によれば、廃棄したはずの、これらの日報が、自衛隊や防衛省の複数の部署から、いろいろ見つかったことになっています。
マスコミは、「ずさんな文書管理」 との表現(批判)をしています。
しかし、これは明らかに 「虚偽」 です。
実際は、「ずさん」 ではなく、「意識的に隠していた」 のは明らかです。
「隠せ」 と命令を受けたから、「廃棄したことにして」、今まで隠していたのです。
今は風向きが変わり、「見つかったことにして公表しろ」 と命令を受けたから、「その命令通り、見つかった振りをして、公表している」 だけです。
自衛隊に限らず、軍事の素人に過ぎない私でさえ、これは容易に理解できます。
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自衛隊・防衛省にとって、これらの 「日報」 は、一度失ったら、二度と手に入らない 「第一級の最重要情報」 です。
最上級の特別扱いをして、「永久保存」 しているはずです。
なぜならば、「またとない実戦経験に基づく、極めて貴重な戦訓」 だからです。
「戦訓」 をインターネットで検索すると、「実際の戦闘から受けた教訓」 という、「味も素っ気 《そっけ》 もない」 解説がいくつも現れます(笑)。
◎ 敵に対して、どのような攻撃をした結果、どのような戦果が得られたか。
◎ 敵に対して、どのような攻撃をした結果、自軍が、図らずも、どのような敗北を招いたか。
◎ 敵の攻撃を受け、どのような反撃をして、敵をどのように撃退したか。
◎ 敵の攻撃を受け、どのような反撃をしたら、自軍が、図らずも、どのような敗北をしたか。
これらに限らず、戦闘において、どのようにすれば勝利するのか、あるいは、どのようなヘマをすると敗北するのか、いずれの面でも 「貴重な教訓を得る」 ことが出来ます。
細かく見れば、もっと、さまざまな教訓が得られます。
これらの 「貴重な教訓」 に基づいて、その後の作戦、部隊編成、必要な武器の種類や弾薬の数量、等々を検討したり、決定したりする、「非常に大事な生 《なま》 情報」 です。
これが 「戦訓」 です。
したがって、「戦訓」 を正しく受け止めないと(正しく分析出来ないと)、その後、「無駄な損害」 を出したり、最悪 「個々の戦闘ではなく、戦争自体に負けてしまう」 可能性もあり得ます。
その典型例が、太平洋戦争で、米軍に 「ぼろ負けした、旧日本軍」 です。
(注) 当時の日本軍が、「ぼろ負けした」 のは、「開戦前からの予定の行動」 です。ただし、ここでは、まったく別次元の話なので、触れません。
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日本は、「戦争しない」 のが、国是です。
そのため、軍事組織である自衛隊・防衛省も、日本にいる限りでは、「実戦体験」 が出来ません。
「実戦体験」 をしないと、「実戦に基づく戦訓」 を得るのは不可能です。
だからこそ、イラクや南スーダン派遣部隊が作成した 「日報」 は、非常に貴重な 「生情報」 なのです。
一度失ったら、二度と手に入りません。
当時と同じ戦闘状況を、もう一度再現するのは、不可能です。
そんな 「最上級の貴重品」 を、みずから 「廃棄処分する」 のは、「絶対にあり得ない」 はずです。