(同社のホームページ)
『未来工業』
http://www.mirai.co.jp/
同書の、表紙カバー裏に、以下の特徴が書いてあります。
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■ 未来工業 成長の理由
<徹底した差別化>
◎ よそと同じものなら作らない
◎ 儲かっていない会社と同じことはしない
◎ 日本一 (初) にこだわる
◎ 考える仕組みづくり
<社員のやる気喚起>
◎ 餅を与えてモチベーションをあげる
◎ 「ここまでしてもらったら この会社のためにがんばろう!」 と社員が思ってくれることを考えつづける
<↓>
日本一社員がしあわせな会社に!
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同書の、この部分を見ただけでも、「同社は、すごい会社」 と思わないではいられません。
例えば、「>よそと同じものなら作らない」 、これは、設計者にとって非常に厳しい要求です。
どんなにすごい製品でも、他社と同じ品ならば、「これじゃだめ」 と、ボツにされてしまうわけです。
何とかして、他社と異なる作りにする必要があります。
そのかわり、それが実現できれば、設計者として 「良くやった」 と評価されるわけです。
誇らしい思いがするはずです。
設計者ではなく、製造担当者も、「他社にはない物を自分で作っている」 という思いが生まれます。
悪い気はしません。
(しばしば述べているように、私自身、製造 (設計を含む) の仕事を長年行ってきたので、良く分かるつもりです)。
ただし、同社は、建築関係の法律で、製品規格が厳密に決まっている 「電設資材」 を製造販売している会社とのことです。
そのため、「世の中に存在しない画期的な製品」 を売り出すのは不可能のようです。
厳密な規格の枠内で、なおかつ独自の特徴を、何とか生み出す必要があるわけです。
その結果、同じ規格による製品でありながら、他社にはない、ユニークな特徴を持たせる必要があります。
(そのため、同書によれば、同業他社に比べて、飛躍的に業績を伸ばしているとのことです)。
なおさら、設計に苦労すると思います。
一方、それを実現すれば、達成感も非常に大きいのは、目に見えています。
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当記事は、言うまでもなく、「同社や同著者 (同社長) を誉め称える」 のが目的ではありません。
また、「企業とは、どうあるべきか」 を述べるのが目的でもありません。
冒頭で述べたように、物事には2面性があり、1面だけにとらわれていたら、幸福は得られないことを述べるのが目的です。
幸福を得るためには、「幅広く2面性に目を向ける必要がある」 と、述べるのが目的です。
そして、ずば抜けた、その好例が、上記の同書なのです。
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同書の目次を拾ってみると、「ぶっ飛ぶ話」 が、いろいろあります(笑)。
(順不同)。
◎ 泥棒に入ったらいけない法律はあるが、入られたらいけないという法律はない
◎ 社員に任せろ。社長はバカと自覚せよ
◎ 全国の営業所は必要と思った社員が勝手に作った
◎ 「ホウレンソウ」は禁止。現場のことは担当社員が一番知っている
(注) 「ホウレンソウ」とは、言うまでもなく報告・連絡・相談のこと。
◎ 残業なんてしないで人生の時間を存分に楽しめばいい
◎ 未来工業が全員正社員である理由「人間をコスト扱いするな」
◎ 人間が人間を評価する限り”成果主義”を採用するつもりはない