(引用B) (『東京新聞』 H30 / 2018-11-10 朝刊1ページ)
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国土交通省航空局によると、同便のパイロットは先月八日深夜、羽田空港を離陸前に、このスイッチを押すのを失念。
本来は、機長と副操縦士が、必要な作業に漏れがないかを確認し合う必要があるが、していなかった。
エ社は 「時間の制約があった」 と同省に説明している。
パイロットは離陸後もしばらく、正しい経路から外れていることに気付かなかった。
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(引用B、以上)
パイロットも人間なので、時間に追われるなどして、「忘れる」 ことは、あり得ます。
しかし、「このスイッチを入れ忘れたため、飛行コースが大きくずれているにも関わらず、品川駅手前の上空に達するまで、気付かなかった」 というのは、明らかに不自然です。
次の 「図3」(再掲) を見て下さい。
(図3) エールフランス293便の離陸経路 (再掲)
(出典: 『東京新聞』 H30 / 2018-10-11 朝刊1ページを引用)
「図3」 は、「前回の記事」 で掲示した 「図1」 と同じです。
(前回の記事)
『エールフランス機の「皇居上空飛行」に関し、他者ブログに「コメント投稿」を行いました』
2018年11月16日
http://21utbmjdai.asablo.jp/blog/2018/11/16/8999595
「図3」 を見ると、青色点線の 「本来の離陸経路」 と、飛行機の絵で3点表示してある 「実際の飛行経路」 とでは、大きくコースが異なっています。
「本来の離陸経路」 では、離陸直後に、右旋回を開始しています。
一方、「実際の飛行経路」 を見ると、右に旋回を開始した地点が、「品川駅手前の上空」 ならば、旋回を開始するまでに、「かなりの距離を飛行している」 と言えます。
「図3」 で、離陸した時刻が23時13分、「品川駅手前上空」 に達したのが23時14分です。
時間にすれば、「たったの1分」 です。
しかし、飛行機の速度は 「非常に早い」 のは言うまでもありません。
「たったの1分間」 で、これだけ 「飛行コースが大きくずれて」 しまいます。
パイロットに 「それが分からない」 はずがありません。
「引用A・B」 で、「パイロットは離陸後もしばらく、正しい経路から外れていることに気付かなかった」 とあります。
もし、これが事実ならば、こんなパイロットは失格です。
(気付かないことは、事実上、あり得ないという意味です)。
パイロットは、出発前に、飛行のための 「打ち合わせ (ブリーフィング)」 を必ず行います。
機長、副操縦士の2名に限らず、その時、必要に応じて乗務する運航乗員全員で 「ブリーフィング」 を必ず行います。
「離陸後、どのコースをたどって上昇し、どの航空路に乗るか。高度はいくらにするか」、そのような打ち合わせも、必ず行います。
通常は、機長が、気象状況や、空港が設定している条件などを考慮して、どのコースや航空路を飛ぶか総合的に判断し、他の運航乗員たちに説明し、意見を出し合い、最終的に決定したコースや航空路に対して、全員の同意を求めます。